「セルフネグレクト」という言葉をご存知ですか?
「生活環境・栄養状態が悪化しているのに助けを求めない状態」のことを「セルフネグレクト」と言います。
セルフ→自分、自己
ネグレクト→①(人や物に対する配慮などの)無視、不履行、おろそかにすること
② (配慮などの)欠如、おろそかになっている状態
③保護者が子どもの養育などを放棄すること
つまり 自分で自分のことを大切にしていない状態のことですよね…。
「自己放任」「自分による自分自身の世話の放棄」。
セルフネグレクトは「ゴミ屋敷」や「孤独死」の原因ともいわれるそうです。
確かに、ゴミ屋敷に住むことは 自分で自分を虐待していることと同じですね。
私は以前 認知症サポーター講座で 上記の貼付け記事で紹介されている 岸恵美子教授のお話を聴く機会に恵まれました。
誰もが予備軍、自分を虐待しゴミ屋敷に住む人々 (4ページ目):日経ビジネス電子版
ゴミ屋敷になるきっかけは人それぞれですが、誰もが予備軍だそうです。
家族、大切な人の死、悲しすぎる出来事、精神的な病、糖尿病、認知症、ちょっとしたことでも家族に迷惑をかけたらいけないと遠慮して助けを求められない、ゴミ分別の難しさ(ゴミを捨てたら「出し方が違っていますよ」)と指摘されたことがきっかけで捨てられなくなった、人間関係の問題から(人は裏切るけど物は裏切らない)等 きっかけは本当に人それぞれ。
片付けのプロに申し込みをできる方は、「片付いていない状態を良くない」と思うことができて「行動しよう」としている方。
「支援を求める力がある方」ですので、深刻なセルフネグレクトには陥っていないでしょう。
セルフネグレクトは医療も拒否し死に至ることもあるので「緩やかな自殺」とも言われているそうです。
人は誰でも困る時があります。そんな時はSOSを出してほしいです。
「助けて」と伝えることを遠慮しているうちに、助けてと言えなくなる状態になってしまうこともあります。
先日ブログに書いたお正月に救急搬送されたIさん、(ゴミ屋敷に住んでいるわけではありません。)と入院先で話しました。
私の連絡先を知らないIさんは「ボランティアセンターに電話したけど 休みだった」「本気になれば連絡できたけどお正月だから遠慮した」と仰ってました。(←倒れる前の話なのかもしれません)
Iさん発見時の体温は35度に満たない状態でした。Iさんは一人暮らしですが、私以外の人にもゴミ出し、窓拭きのボランティアを依頼されている方なので、何かあった際に発見されやすいです。
反対に人を避けている人は孤独死になりやすいです。
遠慮や恥ずかしさ等からゴミ屋敷になり、救急車を呼ぶのも恥ずかしくて呼べなくなるかもしれません。
行政の人が支援に来てくれても拒み、孤独死につながるかもしれません。
セルフネグレクトになると助けを求める能力が低下してしまうので、そうなる前に是非私たちを頼ってもらえたら…と思います。
私たちは本気で片づけようとしている人を見下したり馬鹿にしたりしません。
自分で助けを求められる状態のうちに、安心して申し込んで欲しいです。
(何一つ勝手に捨てませんので ご安心ください。)
そして 綺麗なお家を取り戻し、自分や家族を大切にしていただけたら嬉しいです。